静岡県立大学の田中です

2018年から運営委員として参加している静岡県立大学(University of Shizuoka)・食品栄養科学部の田中です。よく間違えられますが、英語表記が酷似している(?)国立の静岡大学(Shizuoka University)とは別の大学です。


東北大学の五味勝也先生の研究室で12年間にわたり麹菌の研究をした後、2017年4月から静岡県立大学に所属しています。五味先生の下では自由に色々と研究させてもらいましたが、根幹にある興味は「麹菌が酵素タンパク質を生産する時に細胞の中で何が起きているか(麹菌はなぜ酵素タンパク質を大量に生産できるのか)?」です。


現在の所属研究室は、大腸菌と出芽酵母を利用したタンパク質の進化工学をメインにしている研究室ですが、主任の河原崎泰昌先生から「学部内に糸状菌の研究をしている人がいないので是非、糸状菌の研究をしてください」という有難いお言葉をいただき、現在も麹菌の研究を継続しています。また、前回のブログ筆者である國武さんがポスドクをしていた農環研の北本宏子先生との共同研究で担子菌酵母も扱い始めています。


自己紹介というお題ですので、ここからは私が麹菌の研究に足を踏み入れた経緯でも簡単に書こうと思います。

父親が研究者だったこともあり、幼い頃から漠然と研究者になりたいと思っていました。小学校の中学年あたりまでは、昆虫学者になるべくファーブル昆虫記を読み漁っていた様な記憶があります(今は娘がやっている「どうぶつの森」を見ながら勉強中)。

そんなある日(小学校4年生か5年生の時?)、父親が「大学の粗大ゴミ置き場に捨ててあったから拾ってきた」と言って、顕微鏡を持って帰ってきました(おそらく、三重大学・医学部の粗大ゴミ置き場)。

早速、自宅近くのため池から取ってきた水を観察して、動き回るをミジンコやツリガネムシなどを目にした時の衝撃は今でも記憶に残っています。これをきっかけに小さな生き物に興味を持ち、仙台でのアルバイト先で美味しい地酒に出会い、麹菌の世界に足を踏み入れました。

私が学生の頃は、麹菌のゲノム情報がオープンになり、ligD破壊株が作製され(私の同期の卒業論文研究)、逆遺伝学的解析が飛躍的に進んだ時期でした。そんな中、五味先生に(主に酒の席で)よく言われたのは「現象をしっかり見なさい」ということです。麹菌の解析をしていると面白い現象がまだまだたくさん見つかります。今後も麹菌ならではの研究をやっていきたいと思っています。


最後に大学の紹介を少しだけしておきます。写真は大学の横にある芝生園地から撮影したものです。小規模な大学ですが、レンガ造りが綺麗な外観で、映画の撮影地になったこともあるそうです。研究室の私のデスクからは、晴れた日には富士山が見えます。

写真の下のURLは、Googleストリートビューのリンクです。斜面に建っているので、廊下を歩いている内にどんどん階が変わる面白い構造です。

ちなみに静岡県はビタミンB1を発見した鈴木梅太郎博士の出生地であり、大学とその隣の県立美術館の間に博士の胸像と顕彰碑があります。

Google ストリートビューのリンク

https://www.google.co.jp/maps/@34.9957187,138.4451946,3a,75y,131.56h,78.61t/data=!3m7!1e1!3m5!1si4jdQz5JZ3q97vtlxJmkqQ!2e0!3e5!7i13312!8i6656?hl=ja/


それでは、私の自己紹介はこれで終わりにします。

次回からは関西の先生方の自己紹介の予定です。お楽しみに!

0コメント

  • 1000 / 1000