JAMSTEC若井です

JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)の若井です。

わかいは名前ばかりで若手研究助成に申請できないくらいのおじさんです。

海の研究所でなぜ糸状菌?と言われると困るのですが、ぶっちゃけ現在は糸状菌の研究を出来ていません。

前職の神戸大学で黄麹菌を使った物質生産の研究を行っており、現在はその時の研究内容を論文にまとめることしかできていません。

JAMSTECでは糸状菌の研究をやっている人が全然いないかというとそんなこともないので、今後そういった方に委員のバトンは渡して行こうかと思っている今日この頃です。

そんな糸状菌研究から卒業しかかっている私がブログに何を書くのか。。。

少し古い話をします。

私が最初に糸状菌を研究対象にしたのは実は高校生の頃です(少しどころかだいぶ古い)。

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)とかで研究をしていたのではなく、広島県の山奥の西条農業高等学校(平成24年からSSHに指定)というところです。

近くには、酒類総合研究所、広島大学西条キャンパス、産業技術総合研究所中国センターなどがあります。(山奥って言っちゃってごめんなさい。ジモティーだから許して。)

当時、陸上駅伝部が破竹の強さ(世界最小ハードラーで有名な為末大さんを擁する高校を抑えて広島県大会で連続総合優勝)で、大学で箱根駅伝を走りたいからこの高校に入りたいと思い、バイオテクノロジーという響きに惹かれて生物工学科に入りました。

入学後、部としては三年連続で全国高校駅伝に出場し、同期の選手も卒業後箱根駅伝を走ったり、実業団駅伝で活躍したりしていましたが、当の本人はオーバーワークで大貧血、病院通いでやっと回復し、三年生の春、早々に引退しました。

そんな撃沈高校生活を送っていた訳ですが、卒業研究テーマを自由に決めてよいということで、微生物がやりたいな~という漠然とした思いと薬学に興味があったので、自然界からアオカビを分離してペニシリンの力価を調べるというのをやりました。

ふさふさ生えるアオカビくん、ばっちり現れる溶菌斑、研究(研究と言えるほどのレベルではありませんが…)って面白いなと感じたことだけはしっかりと覚えています。

そんなこんなで、農業高校枠推薦で岡山大学農学部に合格し、独立栄養性細菌の研究では歴史のある微生物機能学研究室に配属され、色々な組織を転々としながら、糸状菌、バクテリア、アーキアの研究を進めてきて、今は深海微生物と金属腐食がメインテーマです。

国立研究開発法人なので、公費で実施する研究については事業計画に基づいて計画・遂行する必要があり、ここでの任務は糸状菌研究ではないという状況です。

今は以前から細々とやっていた金属を腐食する微生物の研究をやっていて、写真にあるような感じの一風変わった培養システムを構築して、微生物が金属材料にどのような影響を与えているか電気化学的に調べています。微生物がステンレスに影響して腐食させている現象をとらえて農芸化学会で発表予定でしたが、コロナで流れてトピックス賞もトピックス演題選出というなんだかよく分からない位置付けになった今日この頃です。

何はともあれ、科研費や助成金といった外部資金を獲得してくれば、好きな研究が出来るので、いずれ麹菌研究にも戻ってきたいなと思っています。

そんなこんなで、JAMSTECは自分次第で自分らしい研究が出来るという良い組織だと思いますので、学生の皆さんも例えば将来の職場の一つとして考えてみてはいかがでしょうか?

若手会でJAMSTECの見学をしたいなどあれば、私が窓口になって広報課と調整することも可能ですので、希望する人はアクションを起こしてみて下さい。その場合、できれば、発起人は学生さんが良いな~。

長くなったのでそろそろ締めます。

このブログで伝えたかったメッセージは、学力が低いとやや敬遠されがちな古い言い方での職業高校出身者でも自分次第で研究を生涯の仕事にすることは可能で、初心を忘れずに頑張っていれば結構研究者人生楽しめますよみたいな感じです。私なんかのことを知ってもらう必要はありませんが、私みたいな生き方もありますよってことです。

それでは、若手会かJAMSTECでお会いしましょう。


PS.写真は顔が分かる物を~ってことだったんですが、私の顔なんか見ても面白くないので(逆に面白い?)、気になる人はググったら良いと思います(笑)青森のねぶたは関係ありません!

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