ヤマサ醤油の松岡です。

みなさま、初めまして。2018年より運営委員を務めさせていただいております、ヤマサ醤油株式会社の松岡です。


新型コロナウイルス騒ぎも少しずつ落ち着いてきているようですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私は会社のある千葉県の銚子市に住んでいるのですが、今週に入って、千葉県もようやく非常事態宣言が解除されました。第二波の懸念もありますが、一刻も早く以前のように戻ることに期待しています。まあそもそも千葉県は東京寄りの首都圏エリアとそれ以外の地方エリアは大きく環境が異なっていて、このへんは車移動中心で満員電車もありませんし、自粛ストレスは少なめでしたが。


さて、初回ということで、改めて自己紹介をさせていただきます。

大学院までは東京農大の酒類生産科学研究室というところで、当時酒類総合研究所から移られてきたばかりだった徳岡昌文先生に指導していただいていました。主に麹菌A.oryzaeの育種方法についての検討をしており、強力なシスエレメントをゲノム中にランダム導入して、導入位置周辺の遺伝子を強制発現させる系などを作っていました。

修士課程を修了してからは新卒でヤマサに入社して、醤油研究室という部署に配属されて以来4年間同じ部署におります。ヤマサでは麹菌に関する研究のほかにも、醤油の開発や改良などの検討をしています。

醤油研究室は20人程度の部署で、醤油醸造に関わる耐塩性酵母や耐塩性乳酸菌の研究、味や香りなどフレーバーに関する研究もあり、多岐にわたるテーマに精力的に取り組んでいます。



ブログに書くネタを悩んでいますが、以前、樋口先生から企業での研究と大学での研究の違い等々学生向けの内容を、とのリクエストをいただきましたのでそちらについて少し書きます。

企業での研究と大学での研究の違いについてですが、リクルートに行っても良く聞かれます。ありがちな答えになってしまうのですが、企業は大学よりも自社の利益につながる応用的な研究が多いという点が一番の違いかと思います。当然ながら、企業は利益が無いと立ち行かなくなってしまうので、利益に直結する検討や比較的近い将来に役立つ可能性がある研究が優先されます。とはいえ、全く基礎的な研究をやっていないことはなく、ヤマサでは重要な(興味深い)現象を理解するための研究も実施しています。

大きい企業のように基礎部門と応用部門みたいに分かれておらず、様々な検討を限られた人数で取り組んでいますので、基礎研究だけやっている人はいません。逆に言えば幅広く仕事に携われるのがいいところだと思いますし、学生時代にやっていたような机の上の実験のみならず、製造現場での試験などやりがいのある仕事だと感じています。

色々偉そうなことを書きましたが、先行文献を調査したり、実験系を考えたり、手を動かしたり、データを眺めたりといった研究を通じて培われるスキルはどんなテーマでも仕事でも(研究的な仕事でなくても)変わらず役に立つと思います。個人的には今でもそういった基本的な部分の力不足を感じる場面が多々あります。

企業での研究は応用的なものが多い分、良い結果が得られれば、すぐにそれが目に見える形で反映されます。例えば、新製品がリリースされたり、コスト削減で便益が生まれたり、自分の貢献が実感できるのが楽しいところだと思います。

ヤマサでは1年目でもそういった重要な仕事を任せてもらえますし、我こそは、という方がいらっしゃれば、是非笑

本当は書くことを思いつかなくて、外出自粛期間中に自宅のベランダではじめた(遵法)ハーブ栽培の話でも書こうと思っていたのですが、真面目な話が長くなってしまったのでこのへんで終わりにしたいと思います。

今後とも宜しくお願い致します。

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