おはようございます、こんにちは、こんばんは。
北里大学大村里記念研究所の加藤翔(かとうしょう)と申します。
先日の本大会並びに若手WSお疲れ様でした。
今年もオンライン開催になりましたが、懇親会やポスターセッションなどオンライン上での新たな取り組みも功を奏し、とても有意義な時間を過ごすことができました。
改めて運営関係者の皆様ありがとうございました。
さて、今年より糸状菌若手の会の運営委員に参加することになりましたので、自己紹介いたします。
出身は埼玉県さいたま市で学部4年から修士の三年間は東京理科大学理工学部の鎌倉研究室に所属しておりました。最初の研究テーマ面談で「二次代謝産物の生産制御」という一文に惹かれ、鎌倉先生にやりたいですと伝えたところ外部研修先として理化学研究所ケミカルバイオロジー研究グループに通えることになりました。(ちなみに面談翌日に鎌倉研究室に行ったら自分の椅子はありませんでした笑)
理研でのボスは長田裕之主任研究員であり、メンターはイネいもち病菌の二次代謝産物を研究している本山高幸専任研究員に師事しました。初めは糸状菌遺伝子操作による生合成経路の研究でしたが、そのうち本格的に発現制御を研究することになり、分子生物学研究の難しさや奥深さを感じ研究の虜になりました。中でもM1の時に本大会に参加したときは、懇親会も含めて大変楽しかったのを今でも憶えています。
修士卒業後は民間企業に就職し大阪で一年だけ社会人生活を送っていました。
ある時ノーベル賞を大村智博士が受賞されたニュースを受けて、もう一度二次代謝産物産物研究に取り組みたいと決心しました。
その後、長田先生へ農芸化学大会中に連絡した際に快諾いただいて、埼玉大学理工学研究科に入学し再スタートしました。順風満帆なんてことはもちろん無く、超紆余曲折を経て無事に修士時代に見つけたテーマで2020年に学位をとり、現在に至ります。その辺りはまた飲み会にでも…
現在の研究を紹介します。
北里大学大村智記念研究所は感染症治療薬開発を目指した研究所であり、菌類や原虫並びにウイルスなどをターゲットにしています。私の所属する微生物資源研究センターは真菌の分離と種同定並びに微生物培養液の供給をおこなっています。フィールドワークや共同研究機関から提供された試料を使い、真菌を毎年600株以上分離し微生物培養液を年間2000サンプル以上供給しています。
私も菌類の分離に取り組んでおり、たくさんの菌株を取得し種同定をしていると新種糸状菌を分離できるので、まだまだ面白い糸状菌が眠っていると肌で感じています。
科研費で採択された博論の続きのテーマや糸状菌の遺伝子操作や化合物添加による二次代謝産物の生産誘導に取り組んでいまして、培養法や菌株ライブラリデータや構造決定などいろいろなことをやりながら血眼になって日々探索しています。
学生までは生合成研究を主に取り組んでいましたが、化合物を中心に抗感染症活性物質の探索、化合物生産に適した自然環境からの真菌分離や種同定、遺伝子操作や突然変異株の作出による代謝物生産向上、生産誘導物質添加による新規化合物の探索、オミクス解析など幅広い研究に携わらせていただいております。
理研ケミカルバイオロジーグループで学んできたことを活かしながら、自分なりのケミカルバイオロジストになりつつあるかなと書いていて思いました。今後は化合物と携わりながら微生物相互作用のメカニズム解析や作用点解析に取り組みたいなと思っています。
皆様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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